一人でやってる社長の色々ブログ

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2011年3月10日木曜日

溶ける景色と二郎さん

坂上二郎さん。
脳梗塞から復帰後の舞台を、明治座に2度見に行ったことがある。
欽ちゃんと一緒に「コント55号」という名前で出演していた。

最初の時は母親孝行みたいな感じ、
2度目は結婚前だった今のカミサンも連れて3人で。

兎に角笑えた。本当に面白かった。

掛け合いもそうだが、
舞台にソデから現れた時、既にえもいわれぬ面白みを帯びていた。
あれは笑いの「気」だったのだと思う。

『医者から水分をマメに取れって言われててねぇ!』

なんて言いながら、
時代劇だというのにストロー付けたペットボトルを懐から出して、
チュウチュウやって笑いのネタにしてたっけ。

「コント55号は一度は見ておかなきゃ」と急に思ったのがきっかけだったと思う。
今日しみじみと思った。見ておいて良かった、と。

自分の母親も二郎さんとあんまり変わらない歳だから、
もう一度くらい見に行きたいと思っていたけれど、叶わなかったな…。

昭和41年生まれの自分にとって、2人揃って出てたテレビで一番見たのは
「ぴったし!カンカン」かなぁ。久米宏が司会だった。
コントはやってなかったけど、トンチンカンな回答に合わせて
よく椅子から転げ落ちてたのを覚えている。

いつの間にか歳を取っていて、亡くなってしまった知らせに接して
えっ、と驚いてしまう昭和の方々が本当に多い。

普段忘れてしまっているけれど、同じように、自分も歳を取っているのだ。

谷啓さんや二郎さんが去っていったように、
自分にもいつか必ず「最後の日」が訪れる。その日に向かって驀進しているのだ。

普段それを忘れてしまっているのは、
物事が過ぎ去っていくスピードが余りに早くて見えないからなのかも知れない。
物凄いスピードで走る新幹線から見える景色が、溶けてしまうように。
ぼーっとしている暇なんかないんだ。

二郎さんの訃報を受けて、そんな事を改めて考えた。

――――
何年か前に買った「なんでそうなるの!」のDVD、また見よう。
二郎さんがドタンバタンやってるやつ。