坂上二郎さん。
脳梗塞から復帰後の舞台を、明治座に2度見に行ったことがある。
欽ちゃんと一緒に「コント55号」という名前で出演していた。
最初の時は母親孝行みたいな感じ、
2度目は結婚前だった今のカミサンも連れて3人で。
兎に角笑えた。本当に面白かった。
掛け合いもそうだが、
舞台にソデから現れた時、既にえもいわれぬ面白みを帯びていた。
舞台にソデから現れた時、既にえもいわれぬ面白みを帯びていた。
あれは笑いの「気」だったのだと思う。
『医者から水分をマメに取れって言われててねぇ!』
なんて言いながら、
時代劇だというのにストロー付けたペットボトルを懐から出して、
チュウチュウやって笑いのネタにしてたっけ。
チュウチュウやって笑いのネタにしてたっけ。
「コント55号は一度は見ておかなきゃ」と急に思ったのがきっかけだったと思う。
今日しみじみと思った。見ておいて良かった、と。
自分の母親も二郎さんとあんまり変わらない歳だから、
もう一度くらい見に行きたいと思っていたけれど、叶わなかったな…。
昭和41年生まれの自分にとって、2人揃って出てたテレビで一番見たのは
「ぴったし!カンカン」かなぁ。久米宏が司会だった。
コントはやってなかったけど、トンチンカンな回答に合わせて
よく椅子から転げ落ちてたのを覚えている。
いつの間にか歳を取っていて、亡くなってしまった知らせに接して
えっ、と驚いてしまう昭和の方々が本当に多い。
普段忘れてしまっているけれど、同じように、自分も歳を取っているのだ。
谷啓さんや二郎さんが去っていったように、
自分にもいつか必ず「最後の日」が訪れる。その日に向かって驀進しているのだ。
普段それを忘れてしまっているのは、
物事が過ぎ去っていくスピードが余りに早くて見えないからなのかも知れない。
物凄いスピードで走る新幹線から見える景色が、溶けてしまうように。
ぼーっとしている暇なんかないんだ。
二郎さんの訃報を受けて、そんな事を改めて考えた。
――――
何年か前に買った「なんでそうなるの!」のDVD、また見よう。
二郎さんがドタンバタンやってるやつ。
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